思い出
ご縁を大切に #7
2023-05-29
30年来の友人のTさんと先日お茶をした時、とめどなく機関銃のように二人でお喋りした後にTさんが不意に言った「やっぱり西濱さんは素直なのですよね~」という言葉がなんだかとても嬉しく感じるということがありました。それをきっかけにTさんとのご縁についてあれやこれや思い出したことが沢山ありましたので、是非ともこの機会に書き留めておきたいと思いました。
ご縁の始まり-企業担当者としてのお付き合い
Tさんは60代の女性で、私が現役で働いている頃から付き合いがあり、リタイアした後も公私共にご縁が続いている大切な人です。私たちの出会いは1990年頃まで遡ります。私が人事総務マネジャーになって4-5年経ち、会社の規模も徐々に大きくなり、社員数が100名くらいになった頃だったでしょうか、退職金規定の見直しや団体生命保険導入が必要になった時に、大手生命保険会社の営業として上司の方と同行していらっしゃったのがTさんでした。Tさんは1986年に雇用機会均等法が施行された後に総合職になられた方で、法人営業担当らしいダークスーツを着ていつもニコニコされていました。上司と同行していてもまったく緊張している様子もなくとても自然体で、まだまだ総合職の女性が少ない日系企業にもこんなに素敵な女性の営業職の方がいらっしゃるのかと、男性優位の社会で働く同じ女性として誇らしい気持ちになったことを覚えています。
また、その頃一番強く感じたのは、Tさんをかわいがって育てようとされている男性の上司の方と、それを素直に受け止められるTさんとの関係の良さです。そんな環境に恵まれたTさんは徐々に独り立ちして行き、そのうちに上司の方は同行されなくなり、Tさんと私との距離も近づいて行きました。
プライベートでのお付き合い
その後Tさんは法人営業担当から個人営業担当にシフトされました。法人営業担当時代に広げた人脈をフルに活用され、その昔に起業されて今や大企業になった社長さんや、外資企業の幹部になられた方などを顧客として、順調に営業成績を上げ続けていました。私もそのタイミングで生命保険、車の保険、火災保険などを全て、信頼できるTさんにお願いすることにしたため、Tさんとはお仕事のお付き合いからプライベートなお付き合いにシフトして行きました。どの保険が私たち夫婦のライフスタイルにぴったりあっているのか等の説明も全く押しつけがましいところがなく、それ以前に契約していた保険の営業の方のように一切がつがつしておらず、とても知的でおっとりしたところがTさんの魅力でもありました。年賀状のやり取りでも、相当な文学少女だったであろうことを垣間見せるほどの教養に満ち溢れた挨拶文に感心したことを覚えています。
そんな風に顧客の立場に立って働くことが出来るTさんでしたが自分の健康・身体の事に関しては無頓着で、病院嫌いでもありました。私だったらすぐに病院に行くような状況でも、Tさんは頑なに病院に行こうとしないのです。ある日、立ち上がろうとする時に痛みがある様子だったのでどうしたのかと尋ねたところ、膝関節に痛みと違和感があるとのこと。営業で終日歩き回っているのだから股関節にも痛みがあるのは問題だと思い一度お医者さんに診てもらえばと提案してみましたが、案の定なかなか病院には行こうとしませんでした。Tさんはとても素晴らしい方ですが、この点に関してだけは少し心配をしています。
まとめ
Tさんには、自分軸を持っていて個性的なところ、まじめで正直でいつも一生懸命なのにどこかお茶目という魅力があります。そしてお互いに企業で働いて来たもの同士という点で、とても親近感を感じています。だからこそ会社を離れてもこれだけ長く関係が続き「ご縁」になったのだなと思っています。
このタイミングでもう一度「縁」と「ご縁」の違いを調べてみました。いくつかの説明がありましたが、以下のものが私の中ではしっくりきました。
「縁」とは運命的な結びつきや関係を指し、その縁を尊び、ありがたく思う気持ちが「ご縁」
これからも人生に現れるであろう「縁」を楽しみながら、「ご縁」を増やして行きたいと思っています。