日常

また1つブレインロックを外せた!

2023-06-05

また1つブレインロックを外せた!

以前、ブレインロックを外すために何をするべきか、皆さんへの情報共有と同時に自分自身へ言い聞かせるために、ブレインロックという記事を書きました。あれから1年弱、実際に日常で起きたふとした実体験を通して「これはブレインロックだな」と認識することがしばしばありました。今回は、そうしてブレインロックを認識した時に、私がどのように感じどのように考え行動をしたのかを書きとどめておきたいと思います。そうすることで、また似たような状況に置かれた時により迅速に迷うことなくブレインロックを外すことが出来るようになるのではという思いからです。

無意識にあったブレインロック

色々な場面でブレインロックを意識しましたが、特に印象に残っているのは以下の2つです。過去に参加したお琴/三絃の演奏会について思い返した時のことと、直近でメンタリングの研修会に参加した時のことです。とりわけメンタリングの研修会で得ることが出来たものは個人的にとても腑に落ちるもので、そのおかげで新たな一歩を踏み出すことが出来たように思えます。

お琴/三絃の演奏会でいつもの体験

師範になりお弟子さんもいた30代後半のころに、毎年国立劇場小劇場の回り舞台で家元主催の演奏会がありました。参加出来ること自体がとても名誉なことで、出演者はみんな一生懸命練習に励み絶好調の状態で臨んだものでした。

生来真面目な私は毎回幕が上がる直前まで極度の緊張状態にありました。間違ったらどうしよう、頭が真っ白になって手が止まったらみんなにどう思われるだろう、先生の期待を裏切ったらどうしようなどと考えてしまい、心が押しつぶされそうでした。

実際に幕が上がってしまえばほんの1-2分で平常心になり、幕が上がる前の緊張が嘘のように自信を持って演奏することが出来、演奏が終わって幕が下がると、安堵の気持ちと達成感でいっぱいになったものです。

そんなことを毎回繰り返して気づいたことがありました。毎回演奏前に襲われる極度の緊張感は、とあるブレインロックが原因なのではないだろうか。「こうでなければいけない」という思いが強すぎるがために、必要以上に緊張してしまうのではないだろうか。一生懸命練習をして当日を迎えることが出来たのならば、「失敗してはいけない」などと考え過ぎずに、ありのままの自分を見てもらうくらいの気持ちでいれば、いくばくか緊張も薄らぐのではないかと思ったのです。

メンタリング研修会で腑に落ちたフィードバック

三週間前にあった研修会での出来事でした。あるワークのファシリテーションを参加者の前で行うことになった時、最初の出だしの1-2分はいつものように緊張してしまったのですが、それが過ぎるといつも通りの自然体で余裕を持ってワークを進めることが出来たということがありました。

ここまで書くとお気づきの方もいらっしゃると思いますが、ワークでの私の振る舞いもお琴/三絃の演奏会での振る舞いも一緒なのです。始まる前の緊張が大きすぎるために序盤の1-2分は調子が上がらず、その後調子を戻すといった形です。実際参加者の方々にもその1-2分の緊張は伝わってしまっており、「最初は緊張感が若干ありましたが、その後はとてもスムーズで、長年の経験と持ち前の温かい心で包み込むような感じでとても良かったです」というようなフィードバックを頂きました。中盤以降に調子を戻していることもしっかり感じ取って頂けたのは少し安心ではありました。

そして研修会の講師の方から頂いた下記のコメントが自分の問題意識と合致しておりストンと腹落ちするものでした。

「こうあるべきという枠に自分を入れたりせず、その時思った自然な気持ちを誠実に伝えてください。ありのままの自分で。」

演奏会でも研修でも、私を極度に緊張させていたのは「こうあるべき」という思い込みでした。他の誰でもなく自分自身が作り上げてしまった思い込みです。演奏会での経験からわかっていたはずなのに、まだ自分の中にある=ブレインロックをはずせていなかったのかと少し落ち込む気持ちもありますが、それほどまでにブレインロックを外すことは大変なことだし、今回まだまだ完全には外しきれていないことを気づけたことも大きな前進だと、ポジティブに受け止めたいと思います。

まとめ

過去の経験に基づいて生まれた考え方が固定化され、いつのまにか無意識となってしまったものがブレインロックです。これを外すことは並大抵のことではありません。しかも「間違ってはいけない。失敗しないように。」というのは、私の個人的なブレインロックというよりも、日本社会全体が陥っているような非常に強固なものでもあると思います。常に意識をしていても、少し外せたかなと油断してしまうとまた罠にはまってしまうような気がします。それでも諦めず、「間違ってもいい。失敗してもいい。」と自分を解き放ち、無意識に行動し、自分の知らない世界を見に行けるようにしたいものです。

トライ&エラーをし続けることによって失敗から学ぶことの大切さを再確認した、ある意味人生2回目のターイング・ポイントとなりました。