日常

55歳で大型自動二輪免許取得

2022-02-28

55歳で大型自動二輪免許取得

今思えば一般的にはなんと無謀なチャレンジだったかと思いますが、やはり自分の人生の信条の一つである「思い立ったが吉日」を実行し、途中で挫折せず免許を取得したチャレンジは人生の大きな思い出の一つです。ゆったりと思い出を紐解きながらブログに書き留めてみることは、そのまま自分の年表になりとても良い事だと思います。

思い立ったが吉日

そもそも大型自動二輪の免許取得を考え始めたきっかけは主人でした。主人がすでに大型免許を持っていたのでいつも後ろに乗せてもらっていましたが、独立心旺盛な私はいつもお願いして緊張する後ろのシートに乗せてもらうのはやめて、いつかは自分も大型免許を取りたいと思っていました。

そして、子供のころから自転車に乗るのに不安があった私に、54歳にして大型免許を取得しようと一大決心したのは、ギネスブックに載りたいと言うもう一つの大きな夢のためでした。「55歳の女性がなんと最高齢で大型自動二輪免許を取得!」

兎に角思い立ったらすぐアクションを取らないと気が済まない私ですから、すぐ近所の国際自動車教習所に申し込みに行きました。そして思いついてなんと練習のために原付のホンダエイプ(49cc)を購入したのです!そんなこと誰も考えませんよね(笑)

教習所での思い出

身長155cm、体重54kgと小柄な私でしたが、事前のカウンセリングもほとんど聞かずに、みんなと同じ中型(400cc)から教習を始めました。初日にバイクを前後に動かすのによろよろとし、またがると足がつま先立ちになるのを教官が見逃さず、私に「カウンセリングで、小型(125cc)から始めた方が良いと言われませんでしたか?」と言われてしまい、結局小型のクラスに行くことになってしまいました。

教習所に通う前から、年齢も高いし卒業試験までに若者の3倍の時間とお金を使うだろうとある程度腹をくくっていましたが、想像していたよりも道は険しく、段階ごとの実技をパスすると押してもらえる判をなかなか押してもらえず、小型免許の卒業試験前の「見極め」をパスするのにも一苦労しました。

一方で、さっさと卒業試験まで行った若者たちが、慎重さに欠けるのか卒業試験は何回も落とされていた中で、「見極め」まで遅かった私が卒業試験は慎重さから一発合格だったという、昔話のような面白い体験もしました。

普通免許(400cc)では古いHonda CBに乗り、急制動(急発進・急加速・エンジンブレーキで急停止)ではバイクの面白さを初めて体験しましたが、S字カーブを出て一旦停止、そして「魔の一本橋」でブレーキとクラッチの感覚を掴むまでに、何度転んで打ち身・アザ・擦り傷を作ったことか。そんな中、女性はバイクを倒しても教官が起こしてくれて、男性は自分で起こすのが当たり前でしたが、これは女性がバイクを起こすのにかかる時間を、バイクに乗る時間に掛けてほしいと思う教官の優しい気持ちからだと思いました。

その頃は普通免許を卒業し大型免許に進まない人が多かった時代でしたが、「これだけ時間とお金をかけて練習して来たのだから、今だったら大型免許を取れる。いや今しかチャンスはない!」と思い即教官に申し出たところ、「大丈夫か?それだったら、まず教習所内で大型バイクを起こしてみよう」と言われ、みんなが練習している周回トラックの内側で、腰を入れて起こそうとしましたがなかなか起こせず、最後は教官に助けてもらって何とかクリアできました。

そして大型二輪の卒業試験を何とかパスして、運転試験場で車の運転免許証に大型自動二輪が追加された運転免許証を受け取る時、係の中年の男性が私の新しい免許証と私の顔を何度も見返しながら「その年で大型自動二輪免許取得ですか。おめでとうございます!」と言いたそうに、びっくりされた顔が痛快で今でも忘れられません!

そして今

その後両足が地面に着くアメリカンタイプのヤマハDS111100cc)を購入し、主人のヤマハロードスター(1700cc)と一緒に、富士山の別荘から南アルプスの主人の従兄の別荘まで、ヘアピンカーブが続く山を登って下るツーリングをしたのが一番の思い出です。

結局「ギネスブックに載る!大型自動二輪免許、女性最高齢の55歳で取得」と言う夢は、その頃いくら調べてもデータがなく登録の仕方もわからず、さすがの私も諦めましたが、今でもとても残念に思っています。その時の1つの夢は終わりましたが、これからも新たな夢を追いかけ続けて行きたいものです。