日常
私たち夫婦のライフスタイル
2022-08-15
毎年5月中旬から9月末までの4カ月半、主人は富士山の別荘で過ごすのが恒例になっています。その期間私は自宅に残り、お互いに清々とした一人の生活をエンジョイしています。元々主人は食事・掃除・洗濯すべて自分で出来、山での生活がとても快適で幸せそうなので、結果として毎年恒例の“夫婦別居生活”を20年以上続けています。私達夫婦にとっては至極自然なことなのですが、知り合いにこの話をするといつもびっくりされます。決まって聞かれるのは、「食事の用意とかご主人は大丈夫?」と言う質問です。確かに同世代の男性は、食事の準備はおろか、お茶っ葉の置き場所までわからずに過ごしているというような話はよく聞きますから、主人は少し特殊なのかもしれません。主人は帰国子女第一号くらいで、男女平等と言う考え方が染み付いているため、食事・掃除・洗濯は問題なく出来る人なのです。
少し話がそれてしまいましたが、今回は今やそんな風に自由に過ごしている私達夫婦が、なんとか折り合いを付けながら50年間の長きに渡ってどのように夫婦生活を続けて来られたかを思い出しながらまとめてみました。
結婚後に気が付いたこと
私と主人は恋愛結婚ではありましたが、(長くなるので別の機会にしますが、何しろ3時間で結婚を決めたので)結婚当初5年くらい主人が何を考えているか全くわからない期間がありました。毎晩残業続きで夫婦の対話が少なかったことも原因の一つかなと思っています。30代前半で4年間の海外駐在(アメリカのテキサス州ヒューストン)から帰ったころには主人の考えていることもわかるようになってきましたが、一方で考え方の違いがあることも明るみに出てきました。主人は「親だからいいじゃないか」とか「兄貴の事を悪く言うな」ということをよく言いました。私は「人間としてどうかであって、親とか兄弟、男女で行動の良し悪しを決めるべきではない」と言う考え方でずっと生きてきたため、その違いに初めて気が付いた時はびっくりしました。
30代以降の日常の出来事
30代以降は、子供が授からないかもと思いながら2人で毎日仕事に打ち込んでいました。そんなある日の週末、主人がお昼頃まで寝ていた時に「ドライブに行かない?」と誘ってみたら、「仕事で疲れているから行かないよ。行きたければお前ひとりで行ってこい!」と怒鳴られたことがありました。怒鳴られたからと言ってへこたれる私ではないので、その時はそのまま一人でドライブに行きましたが、仕事で疲れていたとは言えそんな言い方はないだろうと、私は私で非常に腹が立ったのを覚えています。
それ以降も同じようなことは何度もありましたが、言いたいことはぐっと飲み込むようにしていました。小さいころから私の母に「言いたいことははっきりと言いなさい。そうでないと相手に伝わらないから。なんでも話せる家族が良いのだから」と育てられたので常にそうして来ましたが、主人が大声を出して感情的になりそうになったら、とりあえず自分の意見は言わずに一言もしゃべらず無口で押し通しました。それは今思うとストレングスファインダーの上位3番目の調和性が成せた技かなと思いますが、結果として余計な一言を言わなくて済んだことにより、大きな喧嘩にならずよかったのです。もちろん今の時代に照らし合わせれば、大声で怒鳴る主人、押し黙る妻というのはあまり褒められた構図ではないと思いますが、あの時の私達にとってはそれもひとつの在り方だったのではないかなと思います。
こんなことばかり書いていると主人が非常に怖い人のように思わせてしまうかもしれませんが、主人が大声をあげるようなことは滅多に起こることではなく、常日頃は私が会社で起こったことを色々と相談すると、いつもポジティブかつ感性鋭い態度で聴いてくれて私を励ましてくれて、私が常に自信を持って仕事に臨む手助けをしてくれていました。そこは主人に対して一番感謝していることの一つです。
金婚式の今年想うこと
その後主人は2回目、3回目とあった海外駐在を単身赴任してくれて、私は仕事をし続けることが出来ました。3回目の海外駐在からの帰国後、主人は病気になり会社を早期退職しました。その後は体調不良のため起業を諦め主夫となり家事をすべてこなしてくれて、私の会社での仕事や人間関係についての悩みを聴いて常にアドバイスをしてくれました。性格や思考回路が違う主人だからこそ出来る違う見方があり、そんな時はなるほどそんな見方もあるなぁと目からウロコでした。
夫婦のコミュニケーションは常に私から問いかけることからスタートすることが多く、主人はと言えば私の心情が読めるので、「言ってもどうせ駄目だし無理だから」と何も言わないことが多いのですが、それでも私は主人からしつこいと言われてもあきらめず言い続ける、コミュニケーションを取り続けることがとても大切だと思っています。お互い聞く耳を持たず、要件のみのコミュニケーションしか取れないような夫婦生活は、想像しただけで非常に居心地が悪いように思います。そうならないために、私からの問いかけは続けて行きたいと思っています。
まとめ
最近はネガティブな意味ではなく、お互いのライフスタイルを尊重した上で完全な「別居婚」を選択する夫婦もいると思います。それはそれで結婚の一つの形ではあると思いますが、私達夫婦にとっては基本同居で時々別居という今のスタイルが一番しっくり来るなと思っています。別居していることによって相手に煩わされず穏やかな自分になれるし、自分の自由な時間が出来て心の余裕が出来れば、周りの人達への配慮も出来て幸せを感じられるので、この基本同居で時々別居と言う絶妙なコンビネーションで夫婦生活の中で一石二鳥以上のものを得ることが出来たと思っています。勿論double income no kidsだったから出来たと言うことではありますが…。