メンタリング
メンタリング – 信頼関係をつくる
2022-03-14
メンタリングでは「信頼関係」を深めることが必要不可欠であり、メンターとメンティの信頼関係がとても大切だと提唱しています。そりゃそうよねと誰しもが思うことなのですが、じゃあどのようにすれば良いのかと言うと、これはなかなか難しいと思われるのではないでしょうか?そこで今回は、信頼関係を深めるためのコミュニケーションの秘訣についてお話したいと思います。
自己開示はとても大切
私は長年人事総務を担当していましたが、50歳で受けた360度評価でボコボコにされるまでは自己開示をせず、むしろ人事担当者としてはそうあるべきだと思い込んでいました。何の疑いもなく。人事は水面下で動くこともあるので、あえて一切自己開示をしない方が良いと思い込んでいました。しかし、360度評価を受けたことによって自分自身と向き合った結果、水面下のお話を相談できる親しみやすい人事を目指すのならば、自己開示をすべきではないかと考えるようになりました。
コミュニケーションの基本は「まず自分のことをよく知ってもらうことによって、相手にこの人に心を開いても安心だと思ってもらうことから意思の疎通が始まる」と言うことです。しかし、過去の私はむしろ「自己開示すると自分がどう思われるかわからないので、リスクは負えない」と思っていたので、頑なに心を閉ざして表面だけビジネスライクな態度を取っていました。そんな態度で信頼関係など構築出来るわけがありません。その事を360度評価の結果で思い知らされ、自ら自己開示をしてこそ真のコミュニケーション、信頼関係が深まって行くことを学びました。
価値観を認め合うこと
しかし自己開示をどのような相手、どのような場面、どのような立場、どのようなタイミングで行うのかは悩ましいところですよね。安心できる環境でないと自己開示はリスクを伴うので、なかなか難しく二の足を踏むのも事実です。特に会社組織のように価値観の違う人が集まっているような環境でリスクは負えないと言う声も多く聞かれます。
価値観とは生まれつきの資質をベースに、育った家庭や職場の環境や人間関係、体験したことで変遷して行きます。人それぞれの価値観があるのですが、相手から自分が正しいと信じて来た価値観を否定されると、自分の人生を否定されたことのように捉えてしまい、これがコミュニケーションを阻害する大きな原因となってしまいます。誰だって自分の人生を否定されるのは嫌ですから、聞く耳を持たず心のシャッターを下ろしてしまうのです。これがコミュニケーションギャップとなり苦手意識を生み、解決の糸口がつかめないまま居心地の良い価値観が似通った人とだけ接して、様々な価値観を認め合う事もなく、ギャップを埋められないままになってしまいます。
そんなコミュニケーションギャップが生まれないよう、色々なワークを通して様々な価値観を認め合うことによって、多くの事を様々な側面から学び、メンター・メンティの人間的な成長が望めるのがメンタリングなのです。
人間理解を深めること
また、信頼関係を深めるためには日々の人々とのかかわりあいの中で、人間理解を深めることも大切です。そのためには人に対する配慮や、自分の発した言葉が相手にどのように伝わったのかを意識して、表情や目の動きから感じ取って行くことが大切です。「目は口ほどにものを言う」と言うことわざもありますね。そうすることによって人を見抜く力(洞察力)を磨くことも可能ですし、人の気持ちを理解し寄り添うことも出来るようになるでしょう。
まとめ
コミュニケーションの3つの秘訣についてお話をして来ましたが、人と言う字が示すように、「人は支え合い、称え合う」と言うメンタリングの大切な姿勢がコミュニケーションを円滑にして、いつも温かく安心感がある信頼関係を築くのです。自分を少しでも知ってもらうことで信頼関係が築ければ、相手の反応も違って来ます。信頼関係が深ければちょっとした暴言を吐いた時でも何故そんな態度を取ったかを察してもらえますが、信頼関係がまだ出来てない関係だと人は離れて行ってしまい、人間関係を再構築することは不可能、あるいは時間がかかる結果になります。
「分かり合えた」と思えることでちょっとした幸せを感じる、その積み重ねが信頼感に繋がって行きます。皆さんもそのような信頼関係を深めるために、まずはトライ&エラーで一歩踏み出してみませんか?